[上写真:左:ネイティブ(株)代表取締役 倉重宜弘 右:GMOペパボ(株) minne事業部 創造主 阿部雅幸]
Dear Okinawa,の一角にminneコーナーがあるのをご存知ですか?
今回の経営者対談は、ハンドメイド作品をつくりたい人と買いたい人を結ぶ日本最大級のプラットフォームminne(ミンネ)を運営する”創造主”阿部雅幸さんをお迎えしました。
Dear Okinawa,とminneは、一緒に沖縄のクラフトシーンを盛り上げます。
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Q:Dear Okinawa,は実店舗でminneはオンラインプラットフォームです。どのようにしてコラボレーションが実現したのでしょうか?
倉重
Dear Okinawa,をつくるにあたって、私どものほうからminneさんにお声がけしました。単なる”もの売り”じゃないショップのあり方に目指すべき姿を見ていましたし、集っている作家さんやユーザーさんの数の面でも、圧倒的な実績をお持ちですので。そのあたり、まずはminneのご紹介をお願いします。
阿部
minneは、GMOペパボ株式会社の新規事業として始まりました。新規事業の社内公募に応募したのが僕で、選抜されて立ち上げをしたところから、取り組んでいます。おかげさまで、2012年1月の立ち上げから、7年目でアプリは1000万DL、53万人のハンドメイド作家さんが登録してくださっています。2018年の取引高は120億円で、過去最高を更新しました。
倉重
類似サービスの中でもダントツの存在感ですよね。つくりたい人、買いたい人がこれだけいるということを可視化して一大産業にされている。市販されているものではなく、個人からハンドメイドの一点モノを買う、という文化も着実に構築していっていらっしゃるようにお見受けします。
阿部
まだまだ、です。僕はまだ、電車の中でスマホでminneを見ている人を見かけたことはありません。これがminneを見ているようになると嬉しいですし、そうなることを目指しています。
倉重
それはやはり、作家さんのため、でしょうか?
阿部
それもありますし、僕自身がもともと手作り市が好きでこの事業企画を思いついたものですから、素敵なものを生み出している作家さんたちと直につながって話せてものが買える幸せを、もっと広げていきたいという気持ちがベースにあります。そのためにも、作家さんが輝けて、買った人が幸せを感じられる場を作っていきたいと考えています。
倉重
時流を見ても、経済的に勤務している会社にだけ依存するのではなく、自前の経済圏を持っておくことがいい、という価値観が広がって来ているように思います。そういう意味でも、作家さんにとっては経済圏をつくれる場になっていますよね。
阿部
しかも、好きなことで経済圏をつくっていけるというのは、ほかの個人間取引プラットフォームにはない、minneのオリジナリティだと思います。ひとりひとりのこだわりや深い思いがかたちになって、それが共鳴してマーケットが広がっていっている実感があります。TwitterやInstagramで1万人以上フォロワーさんがついている作家さんもいるんですよ。個人が輝く時代だなと思います。
Q:今回、Dear Okinawa,に参画されたのも、作家さんが輝く場になると感じられたからでしょうか?
阿部
はい。minneの次のステップとして、作家さんの希望に合わせて、ものづくりを趣味から仕事にできるようにしていきたいと思っています。そのためのチャンスやきっかけを提案し続けたい。実はこれまでにも、世界的なキャラクターやマルヒロの波佐見焼の陶磁器ブランド「HASAMI」とのコラボレーションを実施しました。名のあるブランドとのコラボで創造性や技能が認められたら、すごいチャンスだと思うんです。Dear Okinawa,さんでの店舗常設も、作家さんたちにとっての新しい機会としてありがたく、参画させていただきました。
倉重
ほかにどこか、minneさんの実店舗はあるんですか?
阿部
ポップアップショップとかイベント的に実店舗販売をさせていただいたことはありますが、常設は今回の沖縄のDear Okinawa,が初めてで、ほかにはないです。
倉重
うれしいですね。というのも、Dear Okinawa,は空港ターミナルにありながらも、お土産物をたくさん売りたいだけのお店ではないんです。
じゃあ何がしたいかというと、沖縄のクラフトシーンの盛り上がりを可視化したい。
ここ10年の沖縄は、3.11後に移住してこられた方々をはじめ、アーティスティックなかたが増えて、彼らが手がけるこだわりのカフェやショップ、クラフトが増え続けている印象があります。それらを楽しみにいらっしゃる観光客の方々も増えている。つまり、「青い海・青い空の沖縄」という圧倒的メジャーなイメージに、「クラフトの沖縄」という要素を足していけるのではないか、という実感があるんです。minneで活躍している作家さんが、Dear Okinawa,をきっかけに沖縄のクラフトシーンに魅力を感じ、「沖縄に制作拠点を持とうか」と思ってもらえたりしたら、ますます盛り上がる。そうしたことを期待しています。

Dear Okinawa, 出品作家 Laphusさん
阿部
ものづくりの拠点としての沖縄には、どんな魅力がありますか?
倉重
たとえば、伝統工芸の文脈ひとつとっても、既存の地域ブランドへの依存度が低い印象があります。ほかの地域は地名がついた伝統工芸のフォーマットがブランド化していて、若いつくり手さんたちは、「どうブランドを活用しながら崩すか」という考え方をしておられる感じがします。この点、沖縄の作家さんは地域ブランドありきで話をする人は少ない。チャンプルー文化で外からきたものや新しいものを受け入れる土壌も相まって、のびのびと個性を発揮している印象です。それから、沖縄出身の方も、移住した方も、沖縄が大好きで、それを作品で表現したい思いの強さを感じます。
阿部
なるほど。僕らにとっては、沖縄でDear Okinawa,さんに参画させていただくことにした理由の一つは、海外の旅行者の人たちにも作家さんたちの作品をPRできると考えたからです。そういう場所は、国内ではなかなかない。国際線と国内線をつなぐターミナルができ、ヨーロッパからの旅行者もこれから増えていくという熱量の高い場所で作品がどう評価されるのか。 僕らも今年の3月から海外ユーザーがminneの作品が購入できるようになったことなど、海外展開を考えていないわけではないので、「こういうものが売れた」という実績ができれば次へのきっかけになるなと思いました。
倉重
そうですね。沖縄にはもちろん、売り場として魅力もあります。アジアの玄関口にはすでになっていて、これからヨーロッパのお金持ちにもアピールする。これから数年で、沖縄の見え方がだいぶ変わってくると思います。ホテルもどんどん増え、「ホテル内のショップで沖縄らしさを出したい」ということでクラフト作品はすでに品薄です。
阿部
minneの作家さんにとっても、Dear Okinawa,に出したことをきっかけに、沖縄での仕事が広がったら最高ですね。ホテルの内装やホテルグッズを手がけられるようになったりとかしたら、良いですよね。元をたどるとを利用したことがきっかけで、こんなに活躍できた、というような。
Q:ハンドメイド作家さんやクラフト作家さんにとって、沖縄は「つくる場」としても「売る場」としても魅力的なんですね。買い物客のみなさんにとっては、どうでしょうか?
倉重
minneさんの作家さんもそうだと思うのですが、Dear Okinawa,に作品を提供してくださっている作家さんも、思いをこめてものづくりをしています。そういう作品を、価値観や雰囲気、考え方や思いごと持って帰ってもらえる、フィーリングを生活に取り込むような体験をしていただきたいという思いで運営しています。
阿部
「なにこれ、はじめて!これしかない!」という、たったひとつのドンピシャが見つかるという価値ですよね。minneでのお買い物も、まさにそういった体験を目指しています。
倉重
僕がminneで購入させていただいたとき、作家さんからお礼のお手紙のようなあたたかいメッセージをいただきました。作り手と買い手が、人と人として向き合う感覚は、ふつうのネット通販にはないので、新鮮でしたね。作家の思い入れの強いものを売り買いするという前提のふところに自然と飛び込む体験というか。Dear Okinawa,でもそんな感覚を目指して、商品をアイテム別ではなく作家さんごとに並べて、プロフィールも置いています。
阿部
ものを買う場に見えて、作家さんの思いに共鳴し、やりとりをする場ですよね。だからこそ、沖縄在住ではないminneの作家さんの作品が、沖縄の地で新しい刺激を与えること、新しい価値を提供することに貢献できると思います。今回のTシャツコンテストでも、どんな作品が出てくるか楽しみですよね。minne作家がつくる沖縄をモチーフにした作品は、やはりひとあじ違うと思うんです。
倉重
そのひとあじ違いがまた、沖縄の作家さんの刺激になって、クラフトシーンがより盛り上がっていく。そんな未来が楽しみでなりません。
minne × OKINAWA Tシャツコンテスト
○応募期間
2019年6月7日(金)〜2019年6月23日(日)終日
○応募条件
1.minneの作家さんであること
・minneに作家として会員登録している方
・まだminneに登録していない方でも、新規にご登録いただければご応募可能です
2.販売しているTシャツであること
・応募Tシャツを『販売』の状態で公開している方。(※応募作品は1人何点でも可能です)
3.沖縄をテーマとしたオリジナルデザインのTシャツであること
○応募方法
作品ページにて、応募するTシャツの作品ページに、ハッシュタグ「#minne沖縄Tシャツコンテスト」を設定することで応募は完了です。
応募詳細は、こちら
構成:浅倉彩

Dear Okinawa, 出品作家 Hand und Stitchさん