画像提供:ゆいまーる沖縄
沖縄の身近な自然や、文化、想いなどをモチーフにデザインされた「シマノネ」は、ゆいまーる沖縄と沖縄県立芸術大学の協業で誕生したブランドです。
画像提供:ゆいまーる沖縄
ハイビスカスやパイナップル、魔除けのお守り「さんぐゎー」、精霊が宿っているとされている「ガジュマル」の木、沖縄の伝統建築である「赤瓦」屋根などをモチーフにデザインされた12柄からスタートし、現在は、UDS株式会社のプロダクトブランドsu+と、テキスタイルデザイナーの島塚絵里さんが手がけた、宮古島の伝統工芸をモチーフとする4柄が加わり、全16柄がDear okinawa,には並んでいます。
画像提供:ゆいまーる沖縄
沖縄を形づくる身近なモチーフに、新しい視点からとらえた遊び心をプラスしたシマノネ。たとえ手にするのが初めてでも、不思議と懐かしさが感じられる…そんなデザインに仕上がっています。
今回は、シマノネ当初の12柄をデザインした学生の1人である、小嶺 萌々子(こみね ももこ)さんにお話しを聞かせていただきました。小嶺さんは小学校の頃から絵を描くことが好きだったそうで、デザインを学ぶため沖縄県立芸術大学に入学。学部4年生のときにシマノネのプロジェクトに参加しました。その後大学院へ進み視覚伝達デザインを研究、現在はゆいまーる沖縄の経営企画室に所属し、シマノネのブランドマネジメントを担当しています。
小嶺さんがデザインしたのは「シーサーミンタマー」「島の夕暮れ」「ゴーヤーしましま」の3種類。
「シーサーミンタマー」
屋根や門の上から見守ってくれているシーサーは、災厄をもたらす悪霊を払うとされています。小嶺さんはシーサーそのものではなく、シーサーのミンタマー(沖縄方言で目玉のこと)にフォーカスし、シーサー本来の姿を表現しました。ミンタマーはあっちを見たり、こっちを見たり。よく見ると笑ったミンタマーも隠れています。
「島の夕暮れ」
渡嘉敷島(とかしきじま)出身の小嶺さんが子どもの頃から見てきた風景をデザインしたという島の夕暮れ。「観光客が宿に戻った後、静かになったビーチを散歩するのが好きでした」と話す小嶺さん。夕日にきらめく海の水面は、渡嘉敷島の日常風景の中でも特に心に残っているそうで、暮らしの中で営まれる自然と人間の優しい関係を感じさせるデザインです。
「ゴーヤーしましま」
「輪切りはよく見るけれど、そんな“Theゴーヤー ではなくちゃんと意味を込めたデザインにしたくて、縦に切った縞模様をヒントに描いてみました」というこの柄。大小、形の異なる粒が手をつないでいるようにも見え、人種や文化の壁を超えて、どんな人も家族のように受け入れる沖縄の精神「いちゃりばちょーでー(一度会ったら皆兄弟)」 を表しているそうです。
”Dear okinawa,では、人の手によってひとつひとつ丁寧に和紙貼りされた、シマノネの黒糖入り小箱やお茶入り缶などを販売しており、気軽だけれど品のある沖縄土産としても大人気ですが、てぬぐいやぽち袋、一筆箋など、日常で使えるシマノネ雑貨も旅の思い出として人気です。中でも小箱は、豆皿や箸置き、アクセサリーなど、小さめのアイテムを入れて贈り物にすることもできますし、その後は小物入れとして使うなど、生活を優しく彩ったり、贈り主の想いを残せるのも魅力です。
画像提供:ゆいまーる沖縄
シマノネは、時代の流れが変化しても、沖縄の自然や文化、価値観、 想い…そんな、ずっと大切にしていきたい「島の根っこ」に触れるきっかけを作ってくれるはず。忙しい毎日の暮らしの中に、沖縄のゆったりとした時間や温かさ、 空気を取り入れることができれば、今より少し心に余裕を持つことが出来たり、ホッと優しい気持ちになれたりするのかもしれません。
Photo&text:舘幸子