爽やかな香りでリフレッシュ。「もったいない」から生まれたシークヮーサーアイテム

「私の夢は、那覇空港に降り立った時にシークヮーサーの香りがふわっと香ることです。」

こう話すのは、地域活性化を目的とした特産品の開発を手掛ける株式会社フードリボンの社長 宇田 悦子(うだ えつこ)さんです。会社名の由来は、人と人を結ぶリボンや、再生という意味のReborn(リボーン)から。

シークヮーサーの生産量が日本一の大宜味村(おおぎみそん)でシークヮーサーを栽培している農家さんとの出会いがきっかけとなり、宇田さんは会社を立ち上げました。大宜味村では年間約3600tものシークヮーサーが生産されていますが、果汁を搾った後の皮や搾りかすが約1600tも出ているのだそうで、それらは使い道がないので廃棄されてきました。「捨ててしまうなんてもったいない」と感じていた宇田さんは、それらを資源活用することができないか考えました。

ビタミンCやビタミンB1、疲労回復に効果があるクエン酸、血糖値や血圧の上昇を抑える作用やガン細胞の抑制効果・美肌効果が期待されているノビレチン、毛細血管を強くする作用のあるヘスペロジン、ガン細胞の抑制効果リモネン、抗酸化作用や抗炎症作用のあるタンゲレチン…など様々な栄養が含まれているシークヮーサー。

特に「ノビレチンはシークワーサーの皮に多く含まれている」ということが最近の研究で明らかになりました。宇田さんはそのことに着目し、KISEKIプロジェクトを始動させました。

最も大切にしているのは“感謝すること”だそうです。それは、プロジェクトを立ち上げる前に出会った大宜味村のおばぁたちから教えてもらった精神。「KISEKIを通して“目には見えないけれど大切なこと”が伝えられたら嬉しいです。」と宇田さんは話します。

栄養と香りを損なわないよう、シークヮーサーを35~40℃で低温乾燥させ、サプリメントやミックスジュース、エッセンシャルオイル、スキンケアアイテムなどに加工・販売。

琉球ガラスをリードディフューザーにしたこちらは、人工的に作られた香水とは違い、自然に近い爽やかな香り。疲労を感じている時や集中力を高めたい時に効果をもたらしてくれそうです。

使い心地はさっぱりとしているけれど肌の内側から乾燥を防いでくれるスキンケアシリーズは、透明感のあるお肌を目指している女性から人気のアイテムです。

おいしく美肌ケアができるのは、創業80年の沖縄の飴屋さん竹製菓と共同で開発して作ったシークヮーサー果皮入りキャンディ。一粒にシークヮーサーのエキスと果皮が凝縮された飴は、まるで生のシークヮーサーを味わっているようです。

売上の一部は、沖縄県のやんばる3村(国頭村、東村、大宜味村)の世界自然遺産登録支援のために寄付されます。「もったいない」が形になったKISEKI。売り手も買い手も満足できて、さらに社会貢献ができるなんて、夢が詰まったプロジェクトだと思いませんか?

Text: 舘幸子