手のひらサイズの可愛い漆喰シーサー&糸満ハリコ

愛くるしい表情をした「ニャン山(にゃんざん)」のシーサー・ハリコを見ていると、心に溜まったモヤモヤや不安、ストレスもスーッと消えてしまいそう…

手のひらサイズの小さなシーサーとハリコは、目が合うと連れて帰らずにはいられない可愛らしさがあります。

制作するのは、上原新吾さんと赤嶺康浩さんです。実はふたりは商業高校の同級生。上原さんはお花屋さんや美容師、福祉施設の支援員を経てシーサー職人に、赤嶺さんはバーテンダーや警察事務の仕事を経験した後にハリコ職人に転職しました。「モノづくりは昔から好きでした」と話す上原さんと赤嶺さん。独学で技術を身につけ、2010年4月に「ニャン山」を創設しました。

上原さんが手がけるシーサーに使用されるのは、瓦屋根を葺く時にでる余った漆喰です。消石灰(水酸化カルシウム)を主原料にした漆喰は土地によって違いが出る素材ですが、沖縄のものには琉球石灰岩やワラも練り込まれ「呼吸している感じが魅力でもあります」と上原さん。

調湿作用や消臭効果のある漆喰で作るシーサーは、軽くて焼き物とは異なる良さがあります。

「シーサーは“魔除け”ではありません。魔物を良いものに改心させて“共に島で生きていこう”という守護神なんです。ねじ伏せるのではなく“見守る”という…本当の強さと優しさを持っているのがシーサーなのだと思います」

勇ましい表情をしたシーサーが多い中、ニャン山のシーサーは愛想が良く、チャーミング。ひとつひとつ色合いや表情が異なるので、購入する際はじっくりと向き合って、ピンときた子を選んでみてください。

明確なカタチを持たない「bitsシリーズ(a bit of seasa シーサーのかけら)」は、ちょっと力の抜けた“ヘタウマ”な作風が人気です。こちらの「スーミーシーサー」は“時にはボーッとうっすら目を開けて世界を見てみよう。たまには力を抜いてみるのもいいさ~”というメッセージが込められています。つい頑張り過ぎてしまうあなたの元に届きますように。

赤嶺さんが制作するのは、糸満という地域の特色を表す糸満ハリコ。

型に紙を貼り合わせ、乾かした後に型を取り出すため、中は空洞になっています。軽くてツルンとした仕上がりのハリコはもともと“子どものおもちゃ”でしたが、最近ではインテリア雑貨として購入されていく方が多いそうです。

ピージャー(やぎ)やキジムナー(ガジュマルの木の妖精)、立ってるクマなど、一度見たら忘れられない個性的なハリコが店内にはずらり。

伝統的な製法を守りつつ、現代的なデザインを落とし込んだユニークな漆喰シーサーと糸満ハリコは沖縄土産にもぴったりです。

ご家族や大切な友人、そしてご自身のためにも、おひとついかがですか?

Photo &text:舘幸子